「強いエンジニアリング組織をつくる vol.2」というセミナーに参加しました

株式会社クライス&カンパニーが運営する汐留アカデミーというイベントで、
強いエンジニアリング組織をつくる vol.2というセミナーに行ってきた

以下のメンバーが講師として呼ばれており、パネルディスカッション、質疑応答や、交流会を行った

及川卓也
BASE 取締役CTO 藤川真一(えふしん)氏
ビットジャーニー 代表取締役 井原正博氏

数々のイベントやインタビュー記事でアウトプットをしている方々だが、実際にお会いするのは初めてだったので、ちょっとしたライブに行くような浮足立った感覚はあったかもしれない 笑
この記事では、その中であった話を中心に、エンジニアの評価と育成について軽くまとめたものを書く。「この人たちが言っていた」ではなく、ざっくばらんなパネルディスカッションや質疑応答の中で、自分のバイアスを通して引っかかったものをまとめただけの記事として読んでほしい

OKRについて

今回のセミナーでは、OKRという手法が中心に話が展開されることが多かったので紹介しておく、以下のリンクがわかりやすくまとまっている careerhack.en-japan.com

また、日本語としては初めてのOKR本が発売されると及川さんより宣伝があった
前半はストーリー仕立てでOKRが紹介されていて、後半は解説という形式の本で、なかなか良いらしい https://www.amazon.co.jp/gp/4822255646

評価について

評価と言うと上から目線で価値を判断するようなイメージとなってしまうが、改善と、より成長するために本人に対しての気付き、フィードバックの場として機能させるべき
個人は何かしらの成果を出すために仕事をしているので、その行動が組織の目標(意図)とギャップがあるのであれば、評価の際に気づかせる。そのため、頻度はなるべくリアルタイム性をもたせるべきである

能力は定量化出来ない

能力は定量化出来るものではない、組織が何を重要視しているかをしっかりと決め、それらがどのくらい出来ているのかではかる(エンジニアリングにおけるコアバリュー評価と言うべきか)

例えば、動くシステムをとにかく早く作る力(A)と、丁寧で柔軟なシステムが作れる力(B)は、トレードオフの関係にある(とする)
どちらも突き詰めれば技術力のレベルは上がっているが、組織では、(B)に重点を置いている前提のもと運営すれば、定量化出来ないにせよ、(B)が出来る技術者の評価が相対的に上がる。気をつけなければいけないのは、(A)に強みがある技術者を評価しないというわけではない

また、定量化した場合に、数字だけのための行動になってしまっては本末転倒なので、そこは考慮する必要がある

能力評価は職位連動に

能力に対する評価は、給料連動ではなく、職位連動にする(職位を能力の期待値に対して上がる) 達成した結果に関しては、ボーナス連動にする

OKRと評価を結びつけてはいけない

OKRの達成度と評価を結びつけると、OKRで出す目標が小さくなってしまう。目標はしっかりとしたものを出させて、それの達成度は評価軸にせず、その目標に対してどのくらいフォーカス出来たかという軸で評価する

育成について

やる気がある人を集め、その人達の邪魔をしないこと
向いていないことはなるべくやらせないで、向いていることをさせる
出来ない人のためのルールを作らないこと

評価者の育成

大切なのは評価者の教育で、評価者毎に軸がぶれていると、組織にダメージを与える結果となってしまう
座学(知識)の教育も大切で、例えば、評価時にアンコンシャスバイアスという概念の影響を減らすため、評価者が評価時の注意点を見ながら評価するといった対策をする

何かをするわけではない

育成に関しては、基本的に何をするということは無い、採用段階で組織の目標をブレイクダウンして自走できる人を見極めて採用することが重要

まとめ

どこの会社も評価や育成は苦労しているようだった
その中でも、以下の要素は共通して重要視されていたように感じる

  • 組織の目的、価値をはっきりさせ、下部組織、メンバーに落とすこと
  • 個人個人の考えや取り組みを大切にすること
  • 組織と個人の行動とギャップは、面談でリアルタイムに拾って解消すること
  • 自走できる(ようになる)メンバーを採用する

エンジニアの育成や評価に対して今まで考えてきて、答えが出ない悩ましい問題ではあったが、今回のセミナーは自分よりも高い目線で、長い期間同じ命題について考え、実践してきた内容を聞くことが出来たので非常に勉強になった。今後の組織をより良くする活動に活かせるようにしたい。